小野妹子の体外離脱(幽体離脱)日記

夢の中でミックミクにされた

なおも演説を続ける中華の私兵。

文化的な併合という侵略は相手の無抵抗という最大の慈悲を以って果たされた。それはあくまで自身の力の過信の由来とするには余りに愚かしいものであることは明白でありまた彼が熱弁を振るえば振るうほどに滑稽である。俺は隣人にそう嘯きながら声を張り上げる支那人を嘲り笑った。目覚まし時計が鳴っているがなぜその音がけたたましいほどの赤ん坊の泣き声なのか。毛沢東のクローンのような額に脂をてかてかと浮かべる男は私に目を向けるとその顔にしばしの呆然を貼り付けたまま身じろぎせず辺りの時はまるで静謐を湛えた夜の湖畔。それは俺の体が噴きあがるような熱量と衝撃が見舞われていることを忘れさせるものだった。「大変だ。」支那人が言う。雨水を吸って腐りかけた卒塔婆を張り合わせ並べたような塀がつづく。傍らにいたはずの隣人は地に臥していた。「はやく、はやく救急車を。」支那人が言う。隣人はその声に衝かれたかのように飛び起きどこかへと駆け出した。先程からカラダに湧き上がる無限熱量は3度臨界を越え、四度目にしてその衝撃に耐えられず俺は体を崩した。いやらしく鮮やかな錫酸コバルトにぽっかりと開いた穴。そこから指す日差しだけは正直だった。痛みはあったがその詳細は記すほど大したものではない。熱源は丑寅から打ち込まれた銃弾だという事を今俺は理解した。これでは立っていられるはずもない。すべて貫通しうる初速で打ち込まれた銃弾だったが、四度目は何を思ったか、比較的厚い脂肪層に初速を削がれた後、大腿骨にそって肉を引き裂きながら腹腔をかき回し左部背面の肋骨の一部を打ち砕き外へ抜けたのだ。おかあさん。おかあさんの笑い声が聞こえる。粉々に砕かれた大腿骨はそえrぞれが脂肪をかき回す凶器と化していた。支那人が駆け寄る。飛ばした脂汗に彼の唾が混ざる。「これはもう駄目だ。助からない。可哀想に。」彼の視線の先にある穴のぼつぼつと空いたコンクリ塊の頂上に、無表情で帰り支度を整える支那の旅行者がいた。硝煙混じりの煙草の香りは大陸の味。血の味はしなかった。

涙を流しながら俺は後悔を重ね合わせ作った新しい世界への扉を開いていた。うおっまぶし。見渡す限りの大草原を角を具えた獣が駆け回る。ごらんこれが自由だよ。傍らの誰かが言った気がしたがそれは自分自身の声だった。前向きに生きよう。大勢の合唱が聞こえる。前向きに生きよう。あまりに痛々しく声帯を震わせるな。不愉快だ。私は背後に並んだ泣き声の合唱団に一喝した。見てください灰をこね合わせて作ったちょうちょです。小麦色の大地をぬらぬらと跳ね回る無数の芋虫を一人が指し示した。羽化していないではないか。俺は言った。羽化していないじゃあないか。これはちょうちょです羽化はしません。彼が言った。羽もないものが飛べるか。俺はいよいよ激昂をあらわにし肩を怒らせ叫ぶ。左肩に出来たこぶがずくずくと疼きこそばゆかった。前向きに生きよう。くどいようだがこれを言ったのは彼らであり俺に責任はない。泣きながら言うことでもないだろう、前向きに生きるのがそんなに難しいのか。芋虫を一匹踏み潰し俺は尋ねてみた。ええ難しいのです。何故だ。生きている者は生きて生きたいのです。生きればいいではないか。灰色のゾウムシが芋虫の分厚い皮膚を破ってゆく。死にたくはありませんから、泣くのです。生きればいいではないか。そんな禅問答を打ち破ったのはけたたましい鐘の音だった。おお、これは渡辺の目覚まし時計だ。俺は手を伸ばして目に見えない目覚まし時計を止めた。目覚まし時計は大柄のコートを羽織俺達に言う。「さあ、前向きに生きよう」皆落雷に打たれたように頭を垂れる。さあ、生きよう。新しい合唱が始まる。生きていこう。目覚まし時計が声を重ねる「さあさ、前向きに生きよう」MUGENを組み込んだ母板はいまにも折れ曲がりそうだという事を思い出した。いよいよ彼らはぞろぞろと連なる蟻の行列となって歩き出した。俺は目覚まし時計を止めようとする。いけない。その先には行ってはいけない。前向きに、生きよう!封を破ったばかりの半田を溶いた臭いが立ち込める。これは凶兆だ。蟻の行列はとうとう横一列に並んだ。眼前の道は断たれ激しく土を損なわれているのが見て取れる。この高すぎる崖の底には、暗雲が妖しげな青い光を抱き渦巻いている。前向きに生きよう。唐突に目覚まし時計が彼らを突き落とした。一人、また一人「前向きに」の言葉を背に落ちてゆく。ああ、何てことだ。俺はまだ芋虫を羽化させる方法を教えてあげていないのだ。彼らに何が出来るというのだ。いえいえ、誰しも不安を克服し前向きに生きていきたいもの。私はそのお手伝いをしてあげているんです。後押しをしてあげているだけなのです。目覚まし時計は得意げに鼻を鳴らす。りん、という鐘の音が、もはや誰もいなくなった荒涼の大地を這っていった。

しかたないので俺は別の世界に行く事にした。もう見るべきものは見てしまった。灰色熊の肉を割いている女性がいる。見てはいけない。肉切れを差し出してきた。おかしい。俺はこの赤い肉の塊を何故灰色熊だと解ったのか。訊いてみる気はわかなかった。彼女の背後に積み上げられた骨は、人体の骨格標本よろしく整然と並べられていた。美しい。俺はまぶたに噛み付いた金具の冷たさをいとおしく感じた。赤ん坊にかえった気分で、その肉を啜った。

我がサイレントヒルの港湾付近に、その寂れた商店街はあった。古ぶるしいそのアーケイド屋根の表側には羽虫と土くれと鳥糞と乾涸びた鳩とが滞積し、雨すらも洗い落とす事は出来ない。その薄暗い屋根の下で俺は猫にえさをやっていた。通る人もいないのに、只管路地に坐すその姿は物乞い以外の何者でなかったのだ。いつしか僅かながら商店街を通り過ぎる人々もその猫の存在を認めるようになり、その痩せこけた体は見るからに膨れ上がり、体毛の脂は除かれ蛋白特有の艶やかさを具えるに至った。名前はまだない。他の誰もが何らかの名前で呼んではいたが俺はまだこの小さな兄弟の名前に関しては決めあぐねていた。今日日、世間ではげれげれ、だのぼろんご、だのと目に余る当て字の名前が氾濫しているという。ゆとり教育世代がはやすぎる出産を迎えたのだ。しかし奇天烈な名前の子等は往々にして短命である。人生にゆとりなどなかったのだ。さあいよいよ俺は名前に困ってしまう。

雨の日の蝸牛の渦巻構造に鮮烈な印象を覚えた。相変わらず屋根の上、鳩の死体は積みあがったままである。
壁一面を覆いつくすこの蝸牛こそが唯一の変化だ。
蝸牛の殻を目で追う。
その回転運動はいつしか名倉の組成から何かを汲み上げ、新しい形を組み上げた。
その回転は車輪となり、伸び上がる軟肉は仮面を被った痩せこけた女へと変わった。
その珍妙な姿の女もまた、愛すべきわが町の商店街の住人として加えられればそれが良かった。

かの猫は誰にでも擦り寄る愛嬌を学んだ。だが生きる事と愛嬌を振りまく事は違ったのである。山の向こうでサイレンが鳴っている。ある時猫は、朝から晩まで商店街をぐるぐる駆け回る自転車の女に擦り寄ろうとした。仮面を被った女には、足元の小さな姿に気付いただろうか。サイレンが鳴っている。サイレンよりも更にけたたましい金属音。猫はその手を自転車に巻き込まれ千切られていた。僅かな通行人の全てが沸き、猫に駆け寄ったが俺が駆け寄ったのは女の方だった。しかし女の自転車はあまりに速く、名倉における全速力よりも更に先を行っていた。俺と同じく女を追う大柄の男がいる。猫は。俺が聞く。死んではいない。まもなく病院に連れて行けるだろう。その答えにわずかばかりの希望を見出した俺は男と一緒に自転車の背面反射板の光を追った。

まもなく男は死んだ。
全身を細いワイヤで括られた時点で、もう手の施しようがなかった。
渦を巻くワイヤは俺の体をも巻き込み、俺は全ての力を上部構造へシフトし危うく逃れた。
ワイヤは、今眼前に立ちはだかる仮面の女が伸ばした物だ。
俺の体は人でなくなっていた。灰色熊よりも更に大きい獣だった。周囲のコンクリも、アスファルトもスポンジのように軽々とえぐる。そんな俺を冷笑する女。横殴りに顔面に爪を立てる。砕けた仮面の奥から覗くのは、初音ミクだった。
そのニタニタ笑いだけを残しかき消えてしまった初音。
俺は警察に通報した。

茶色の木枠と漆喰と思しき屋外用建材の塗壁で作られた古色蒼然とした建物の一室に、俺はいた。
無能な警官達に頼るわけにも行かず、俺は苦心して初音を自ら捕らえたのだ。
引渡しの手続きはもう終わるはずだった。

いつまで経っても、終わらない。
気が付くと、扉が開かなくなっていた。焦りの余り殴りつける。壁が粉を噴くだけで、それ以上びくともしなかった。
部屋の隅、あの猫がこちらを見ている。ニタニタ笑いを浮かべて。
見れば、部屋の屋根はFRP張りに変わり、空の透けたその隅に、滞積する蜘蛛とカナブンとねずみと鳩の屍骸。
俺は叫んでいた。
頭の奥の芯を緩め、名倉と同調し、再びこの肉体を下部構造からシフトする。
鉄枠入りの分厚いドアを擦り抜ける。先程初音を連れ込んだ独房に駆け込む。誰もいない。
俺を見つけた職員が団子状に連なり俺を押さえ込む。
抵抗する気も湧かなかった。

初音ミクなど、最初からどこにもいなかったのだ。

mikumikuのコピー

コメント

なんていうか・・・ただ口が開いていたぜ・・・・・

  • 2008/04/15(火) 17:22:38 |
  • URL |
  • [7][7][4]…Complete! #-
  • [ 編集]

何があった
SAN値が一桁になってるぞ

  • 2008/04/16(水) 00:25:11 |
  • URL |
  • [7][7][4]…Complete! #-
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長すぎるから三行にまとめる作業に戻るんだ

  • 2008/04/16(水) 01:49:59 |
  • URL |
  • 携帯理段津 #DUyDrzfM
  • [ 編集]

これが文才ってやつか

  • 2008/04/18(金) 15:38:05 |
  • URL |
  • [7][7][4]…Complete! #-
  • [ 編集]

どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!!

  • 2008/04/18(金) 22:15:12 |
  • URL |
  • [7][7][4]…Complete! #-
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